筒の図面ケース
TVドラマとかでよく出る建築家さんといえばコレ!
かならずと言ってもいいぐらい出てくるこの筒状の図面ケース。
僕も持ってました、一つ。物入の奥底にひっそりありました。
確か学生の時に、憧れて購入したま~に使用。社会人になってから使うことも(勿論)なく、かといって捨てるのも忍びなく今に至る。
街中でこれを肩からかけている人も全くと言って良いほど見かけない。
・・・ところが先日、某確認検査機関(計画中の建物の法的な確認や確認申請図書を出すところ)に所用で出かけた時のこと。
僕の座っていた席のとなりに、とある設計士の方が座られました。
なんと、筒の図面ケースを肩にかけて!!
懐かしい...久しぶり、どんな図面が入ってるんだろう。気になって仕方がありません。
僕と同世代ぐらいであろう、その設計士の彼は、、、カバンから図面を出しました。
えっ、じゃあこの筒は何、、、?と思っていたら、向かいで話してる検査担当者から説明を求められて筒の中からA2サイズの図面を一枚出し、説明をしていました。
図面、折ったら良いやん、、という思いを置き去りに確認検査機関を後にした。
そういや思い返してみると昔務めていた設計事務所にも何本かありました。
さらに思い返すと事務所の所長は、事務所あげての飲みの席では必ず「原図は大事」と言っていました。原図はCADもなく手描きで図面を書いていた時代の、何日も何日も掛けて人が手で描いたそれはそれは大事な図面。破れたり水に濡れたりするとどえらいことになります。
ちなみに紙ではなくトレペです。それを青焼きやらコピーをして建主さんや施工店さんに渡すという、僕の時代はもうCADでサクサクと描いていたので、この話は耳に本当にタコが出来るかというほど聞かされました。
僕がまだ若い時には、昼ご飯の時にいらない図面をランチョンマット代わりに使っているのをみられた日には、、こっぴどく叱られました(この時も図面はいかに大事なものか聞かされました)。
この今のインターネット社会、図面なんて簡単に訂正できるし、描きなおせる。
すぐに出力出来るし、メールでサクッと送れる。
気の持ちようかも知れないが、僕は図面を描く仕事。筒の図面ケースから昔の話を思い出し、図面の大切さを少し考えさせられました。