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2019-10-01

設計事務所の仕事

消費税が今日から10%になった。
工事請負契約の経過措置も既に終わり、今契約をすると消費税が10%となる。
仮に建物代金が3000万円とすると、8%の時とで60万円の差が出ることになる。

 

物価が上がっているのと同じく建築資材も上がっている(ちなみに人件費も)。

   

では設計費はどうか?一部外注費もあるだろうが、基本的には人件費で構成されている。

 

仮に建物工事代金が3000万円とすると、事務所によって違いはあるが設計料はおよそ工事代金の10~12%で設定されていることが多い(当事務所は坪単価で設定しているが)。

 

 

一般的には設計事務所に依頼し設計費を払うことは高いと認識させているが、まぁ金額だけ切り取って考えると高くは見える。

しかし設計の仕事というのは、現地での周辺環境等の調査や行政との協議や法的チェックを行った後に、建物の計画をし、図面やパース、模型を用いて建主さんにプレゼンを行う。

気に入って頂き大枠の方向性が決まればそこで設計契約を取り交わす。

引き続き建物の細かな部分まで決めていき、照明や仕上げ、設備、外構、家具などの具体的な部分についても打合せを行い決めてゆく。

大方の仕様が決定すれば、見積もりをするための細かなところまで現した図面(実施設計図)をつくる作業へと入り、その後施工店さんに見積りを依頼する。

 

仮にご予算が3000万円としても、「新しい家でどんな暮らしがしたいか、どうなりたいか」ということを伺う過程で、ついついご要望が膨らんだりもする。

そもそも、3000万円で家づくりを考えている人の要望が2500万円という事はまず無くて、ほとんどの場合はそれ以上の要望が出るものだし、こちらも話は出来るだけ聞くようにはしている。
なので実施設計図面の際、良い納まりを考えるのはもちろん、経済化が図れるような方法を考えるべく図面を描いてゆく。
楽しい打合せを経て出来た実施図面。そしてそれをもとに作成された夢の見積りを建主さんとともに見るのだが、大体はオーバーする。なので一緒に見積りを確認し、減額をするための話し合いへと進める。

 

ちなみに、減額となると今までの話し合いは無駄になり、また夢をあきらめるのか?と感じる方もいるのですが、実際にはパンパンに膨らんだご要望を、

「本当に必要なものはどれか?」

「切り捨てるのか、少し手を伸ばせば届くものを手に入れるのか」

と整理していき、取捨選択をし無理・無駄のない住まいへと導くための非常に良い時間でもあります。この作業を希望金額になるまでに、打合せ、図面変更、見積もり、そして打合せを繰り返す。

 

これらを確認申請が下りるまでの期間に換算すると、早くておよそ6ヶ月。

いよいよ着工となり、規模にもよるがおよそ6か月で竣工となる。

出会いから完成まで早くて1年。期間と費用の割合で言うと決して高い金額ではなく、仮に設計施工をされている工務店でも設計士さんはいるわけで、しっかり図面を描かれているならばこれぐらいの金額設定にはなるだろう。

 

もちろん何件かプロジェクトを抱えていることにはなるが、その数にも限りがあるので、知り合いの設計士の方などと話をすると「今の設計料では、、、」という話を聞くことがあるし、勤めていた設計事務所でもよく聞いた。

 

僕も今の設計料では厳しいところがあると正直思っている。

しかし、仮に設計料を上げると建主さんへの負担も増えるし、ただでさえ設計事務所に依頼するのはハードルが高く見えるのに、それを自らの手でハードルをさらに上げてしまうのもどうなんだろう。

 

という事で、設計費用を上げることよりも、仕事をもっと効率化したり、定番化(自分たちが良いと思うものをパターン分けをして標準化する)することで、仕事内容を見つめ直さないといけないと思う。

ぼんやりとしか考えれていないし、まだまだ答えを道みけていないのだが、、、。